万年筆 選び方

ひょっとして・・・
一万年使えるから万年筆だなと思い込んでいないだろうか、或いは自信を持って正しい使い方を心得ているだろうか。その存在は知っていても改めて問われると意外と知らない筆記具それが「万年筆」

 

万年筆は水性インクを吸入などで本体に貯蔵し、ペン芯を通じてペン先から筆記する仕組みとなっています。一般的に軽い筆圧で書くことができ、それゆえに他の筆記具より、美しく味のある文字「伝わる文字」が書けます。人によっては習慣的に万年筆をつかうことで字が上達するとも言い伝えられています。

 

万年筆がは歴史的調印式など、国際政治のしかるべきシーンでは使用されています。

 

 

 

ペン先の太さには何種類かあります
ペン先選びは重要。たとえば筆圧の強い人には極細は疲れやすく、最悪、ペン先が折れることも。
そこで各万年筆メーカーは字幅などが異なる複数のペン先を用意。モンブランでは繊細タッチの「EF」から傾斜付きの極太「OBB」まで、計8種類から選べる。

 

天ビス キャップ ペンポイント 切り割り ペン先(ニブ) 胴軸
「EF」はEXTRA FINE(極細)
「F」はFINE(細い)
「M」はMEDEUUM(ふつうの太さ)
「B」はBOLD(太さ)
「BB」はBORLD BOLD(極太)
「OM」「OB」「OBB」はOBLIQUE(傾斜付き)
ちなみに、ペン先のサイズはペン自体の大小と無関係であることも知っておこう。


万年筆とは 男の一生筆記用具!

【万年筆】
インク配給式の筆記用具
美しい文字、少なくとも味のある文字が書ける。
今日では男のアクセサリーにもなっている。

 

万年筆は英語で「Fountain Pen」直訳すると泉のペンとなる。
1809年英国で開発された、インク貯蔵部搭載の鋼鉄ペンに付せられた名称だ。現在、私たちが知る万年筆の原型は、1883年の英国でウォーターマンの創業者が発明したといわれる。万年筆はさほど筆圧を必要としないため、長時間の使用でも疲れにくく、ペン先がしなるため毛筆のようのい味のある“伝わる文字”が表現できる。また、使うほどにペン先が使用者のクセに慣れていく、つまり、エイジングして書き味がアップする。インクのバリエーションが多いため、色を変えて楽しむことも可能だ。ケアを心掛ければ一生どころか、孫の代まで使える。書くにはコツがいるし、ケアも欠かせず、概して高額である。ただそれを補う魅力が確かにある。まさに男の一生筆記用具だ。

万年筆 Q&A!初心者に良い万年筆 試し書きのポイント!

万年筆 Q&A

 

万年筆って本当に1万年使えるの?

いいえ
その名に「万年」があるため、一万年は誇張でも「孫子の代も使えるから万年筆」と勘違いしている人は多い。名称の理由はハッキリしないが、一説に人物名由来とも。万年筆が日本に輸入されたのもは1884(明治17)年で、丸善が販売したのだが、その際、通称が“万吉”の金沢井吉氏が販売を担当。「万吉さんのペン」なるキャッチフレーズが、やがて「万年筆」に変化したというのだ。これが事実であるにせよ、機械式時計と同様、ケアを心掛ければ半永久的に使えるとの認識が「万吉」を「万年筆」に変えさせたのかもしれない。

初心者にとって「いい万年筆」ってどんなもの?

不慣れな人も正しくポテンシャルを引き出せて、末永く使えるための3原則がコチラ
金のペン先がベター
スチール製やステンレス製などもいいのだが、初心者には金製のペン先がオススメ。程よくしなやかさがあるので、万年筆らしい書き文字が容易に得られるからで、しかも20年、30年と長持ちもするのだ。なお、カラットでは14K以上なら硬度、耐久性ともに必要十分だろう。
1万円以上のものが目安
末永く使うなら、しっかりした作りのものを。価格で見ると、目安として1万円以上ならしっかりとしたペン先で、書き心地良好。初心者にも安心だ。一方、10万円以上のものは書き味と直接は無関係の部分で価格がのった製品も多い。
太さ10mm以上のもの
好みなどにもよるが、男の平均的な筆圧から、中庸な太さ、すなわち軸の最大直径が10mmか、それ以上のものが書きやすく、長時間の使用でも疲れにくい。ただし、あまり極太だと、デスク専用ならいいが、携帯するには不向きかも。

試し書きをするときのポイントを教えて

スーツの試着と同様、購入時の試し書きは必須です。
望ましい試し書きは、まず自分の名前や住所など、日頃よく書く文字を試し書きすると、書き味の感触がつかみやすい。また、書の技法が揃う「風林火山」は試し書きに最適とされています。

万年筆 選び方 ケア方法

美しく味のある字を書くための万年筆の選び方
万年筆選びでは、試し書きが必須。以下では、丸善・日本橋店から教わった購入時の“心得”を案内!

 

何はなくとも試し書きをすべし!

そのうえで、ペンの重さで軸素材を選ぶ
デザインや予算の都合もあろうが、まず重視すべきはペン自体の重量だ。軽く握り、試し書きもして、手やペン先にかかる重さを確認。さほど負担を感じずに筆運びできるものが望ましい。なお、一般的に金属製は樹脂製よりも重量があり、それゆえ、どちらかといえば筆圧が強めの人に向いている。

ペンの持ち方で太さ、長さを選ぶ

胴軸の太さ&ペンの長さは千差万別
そこで試し書きなどしつつ、手の大きさ、筆圧、握りポジションと握り角、使用目的などの諸条件をチェックして、最適のサイズ&太さを見つけよう。試し書きの際は普段のクセのまま行うこと。たとえばペンの先端を持つ人は短いペンの方がよい。

書き方でペン先(ニブ)を選ぶ

書き味や書き文字の表情などは、ペン先の素材と字幅で大きく異なります。
そこで筆圧や書く速度、使用目的などを確かめながら、素材(硬めのステンレス製か、柔らかめな金製なのかなど)と字幅を決定しよう。

 

万年筆のケア方法
@使用後、ペン先のインクを拭き取る
A2か月に1回程度、水洗いをする
B可能な限り、毎日洗う
C使用しないときは必ずキャップをする
故障の多くは・・・
インク詰まりから発生。これを防ぐための心得が上記4項なのです。とりわけペン先にインクが配給され続けるよう、日々使用する事は何よりのケアになるのだ。なお、ペン先調整などのオーバーホールや修理は購入店などに依頼するのがベターです。

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